長寿世界一の不健康大国

世界一の長寿国なのに医療費は年間国民一人当たり20万円。これもまた世界のトップ。

しかし、若者の体力は世界の下位クラス

現在、元気な70才以上の方の子供の頃は粗食。30年代の子供の好きな物は「巨人・大鵬・卵焼き」

いつの間にか、日本は高齢者は元気で長い寿命を誇っているけれども、世代が下がるほどに不健康な人の多い国になってしまいました。

何故→戦後の食糧難のために実施された政策と深く関係してきます。農業政策の転換によって失われた物は多岐に渡りますが、健康に欠かせない「酵素」もその1つ。

苦渋の選択 食糧難か栄養不足か

私は昭和20年の終戦当時、国立大宮家畜研究所で酵素と微生物の研究、開発に携わっていました。戦争に敗れて混乱の真っ直中。加えて折からの冷害と農業の担い手が戦争に出かけていたこともあり不作続き。そんなところに海外で戦っていた兵隊が何百万人と帰ってきて一層の食糧不足となる。

当時の不作の原因はイモチ病でした。イモチ病の発生予防のために農薬としては使用していなかった水銀入りの農薬を認め、政府は時限立法で昭和23年に水銀の入った農薬の散布を決定しました。この政策により餓死は回避されたが土地は異質なものとなりました、まさに苦渋の選択であったわけです。

変わり果てた日本の土壌

作物そのものが育つ力はあるが一度散布した農薬、特に水銀入りのものは成分が変質することもなく20年以上も残る。大量に農薬が巻かれた日本の土壌は、もはや戦前のような自然な形で養分を多く吹くんだ土壌に戻ることはないでしょう。

いうまでもなく作物は土から栄養を吸収していきます。土に含まれている酵素やミネラルその他の栄養分を取り入れて成長していきます。そして、その成長過程でビタミンやビフィズス菌といった人体の健康に必要な栄養素や有用菌が加わっていきます。

農薬はこの有用な分も殺してしまい、多くの餓死を救った物の多くの人を健康に導く事が出来なくなりました。それが不健康な方が増えて原因でもあります。もちろん、これは日本だけではなくて世界的な問題です。

私は大宮の研究所時代にこのことを危惧しておりました。これからは食糧確保は容易になるものの、必要な栄養分が死滅してしまう。微生物と酵素の研究をしていた私は、このままでは酵素が足りなくなってしまうことに非常に危機感を抱いたことは皆さんにもご想像頂けたと思います。それで妙高高原にほと近い新井での研究生活に入りました。妙高高原には農薬と無縁の肥えた土壌とそこで育った多くの野草があります。これから酵素を補うことを考えた結果でした。以来既に半世紀。私の予想通りの食糧事情と健康生活になってしまいました。

食べても食べても栄養が身に付かない

政府推奨品目30品を食べたとしても・・

農薬によって日本の農地から養分が減ってしまったことの影響が様々に及んでおり、日本人の健康的な食生活を脅かしてしまっています。

例えば野菜の栄養価で日本人に最も不足しがちなカルシウムのほうれん草での含有率は、

半世紀前98mg/100g→1990年代には 55mg/100g

セリでは、86mg→33mg

ピーマンのビタミンも200mg→80mg これは臭いを抑えた品種改良?の結果でもある。

これでは食べる量は増えても栄養をとるのは難しくなる一方。

また、家畜の場合はあてはまります。と、すると・・・

家畜の栄養不足

日本人のカルシウム不足は日本の土壌からカルシウムがなくなったせい。

現在の食事はタンパク質や炭水化物、ビタミン、ミネラル。そして酵素といったものは少なく、脂肪分やコレステロールの過度な摂取になってしまいます。脂肪にしてもコレステロールにしてもそれ自体は必要な栄養素なのですが、あまりに偏りすぎると血液がドロドロになったり、活性酸素の原因となったりするわけです。外国からも多くの食糧を輸入していることもあって、私たちは食べる量を増やすことは出来ました。ところが、その結果どんなに食べても栄養は偏るばかり。本当に必要とする栄養素はまるで摂取していないということになってしまいました。

栄養失調といえば何十年も前のことと思われるでしょうが、実は21世紀の今日こそ考え直さなければなならないことなのです。

成人病が「生活習慣病」に改名された

一昔前までなら中高年以上が気を付けていた「成人病」は、年齢に関係なく子供から大人までが慢性的な不健康に陥った結果、「生活習慣病」と呼称が変わってしまいました。

その根本原因の1つとして、私たちの食卓から酵素を始めとする栄養素が著しく失われてしまったことにあるのです。

東洋では昔から医食同源と言う言葉があります。20世紀はどちらかというと対症療法に重点がおかれましたが、それでは病気をなくすことにはつながりませんでした。21世紀を迎えた今、普段の生活を見直して「予防医学」を徹底させるようにしてはどうでしょうか?特に酵素を私たちの食生活に取り戻していただきたいと願うのです。それでなければどんなに食事に気を付けていても本当の医食同源ほ実現することは出来ません。

体力が衰える日本人

持続力の必要なサッカーに本来向いている筋肉を持つはず、肉食ではありませんから瞬発力を生み出す筋肉は作られにくくても米などの常食により体力を持続させることには長けていたのが日本人です。ところが最近はほんの少しの運動で息切れする方が多くなった。

食生活から酵素が消えたことは、日本人の体力の衰えとも実は密接な関係があります。

酵素は人体の新陳代謝に欠かせないものでまた、新しく筋肉を作るのも、筋肉を発達させるのも全てに酵素がなくてはなりません。

私たちの体力不足を指摘するのは簡単ですが、その克服法というとやはり食生活の改善。なかでも酵素の摂取というのは、重要なポイントになります。

あなたの腸は大丈夫?

食物は口から入って胃、小腸、大腸といった過程を経て十分に小さくなった栄養素を体がとりこむ。胃だったらペプシンやリパーゼ、腸にはいってアミラーゼやマルターゼと言った具合でここでもこれらの酵素が活躍しています。

私が指摘したい大きな点というのは、食物の通り道であるがゆえに体外の物質がそのままの状態で存在しているという点です。

消化器官以外の臓器は免疫によって自分以外のものをシャットアウトしている、そう言った観点からみても消化器官は外部といっても言い過ぎでない。驚くことに100兆個もの細菌が腸の中に存在します。

ブドウ球菌やウェルシュ菌といった悪玉、やニトロソアミンなどとか、逆にビフィズス菌やガゼイ菌、アシドフィルス菌といった善玉菌も存在します。善玉が多い間は悪玉菌の腸内での繁殖を抑える事が出来ます。それにより病気への抵抗力を高めると共に便秘や下痢を解消し、肌荒れや冷え性も治すことが出来ます。また、糖尿病などの生活習慣病予防にも役立ちますし、カルシウムの吸収率も高まりますので骨も丈夫になります。かように体の健康は腸内バランスが握っています。腸が体の土台と言われる所以です。

食生活の変化で善玉菌そのものが入ってこないということもありますが、やはりもう一つ、酵素の不足をあげざるを得ません。

未消化のものは排泄されるからいいや、ではなくて徐々に蓄積されていきます。この老廃物が多くなると腸内の腐敗が進み悪玉菌が増えてしまいます。腸の中には腸球菌などの日和見菌がいて一度環境が悪化すると腸内は劣悪な物になります。そうすると風邪を引きやすくなったり、疲れやすい、便秘、冷え性、肌荒れ、などは慢性化します。さらに確実に生活習慣病に向かっているという状況。O−157に悩まされ、ガンにかかる確率も高くなることが報告されています。

酵素の不足は、消化機能の低下をもたらすだけではありません。しかし、消化機能の低下1つをとっても健康生活には大きな不都合を来すといわざるを得ません。

血管を塞ぐドロドロ血の恐怖

栄養分は小腸の毛絨血管から吸収されますが消化・分解がうまく行われないときに、問題が発生します。タンパク質は体にとって栄養素ですが、尿酸は絶対に出なければなりません。しかし、この尿酸がそのまま血管の中に入ることによって結晶と化して行きます。結晶となった尿酸は血液で流してしまうには大きすぎ、そのまま同じ場所に居座ることになります。毛細血管は3〜5ミクロン、それに対して赤血球の直径は7〜8ミクロンもあります。また血中の異物は血管壁の脂肪であったりタバコのタールであったりとその種類もかなりの数が数えられています。そのような異物の混入によって私たちの血管はいつも大渋滞を起こしている高速道路のような状態と思ってください。体の末端には酸素も栄養も行かず、殆ど細胞が死んだも同然の状態になってしまいます。そして結晶化した尿酸が神経を圧迫するまでになった時に起こるのが「痛風」です。

そう言う方にも酵素で腸を整えてあげると改善される方がいた。

ドロドロ血液が原因の病気は痛風だけではなくて、むくみ、冷え性、肌荒れ、脳血栓、心筋梗塞

冷え性程度だから、と放っておかない。

骨が簡単におれていく?

酵素が正しく入らないばかりに、免疫力が落ち、血液の循環も悪くなってしまう。

酵素は消化も新陳代謝も司っている物なのでそれが不足すれば、当然からだの全ての部分に悪影響が及ぶ

サプリメントや知識の中でもカルシウム不足と供給はされているのに骨は弱くな一方。

牛乳などの欧米のスタイルでは日本人の腸では充分ではない。日本人は伝統的には魚からだしにしたりしてとっていました。しかし、いまやだしをとる家庭も減りました。それで乳製品からカルシウムを吸収するための強い見方がビフィズス菌です。

骨はただ単にからだを動かすためのものではなくて内臓の入れ物です。これが歪むと悪影響がでます。

骨盤が開きすぎると内臓が下がりむくみや冷え性がでます。

普通に暮らしていては不健康にしかならない

体を動かさない。野菜や肉すら摂取せず、油の塊のようにスナック菓子やインスタントを食べる。一昔前に41才寿命説がありましたが、このままでは現実になってしまう。

人間の寿命は新陳代謝を司る酵素が尽きるとともに終わりを告げます。これだけは紛れもないことなのです。いまさら一世代前には戻れませんが、現在の文明社会は普通に暮らしていては必ず不健康になるということだけは覚えておいてください。

運動をするとか、そしてなによりも食生活を変えて頂きたい。せめて食事に酵素が並ぶような食事を心がけていただきたいと思います。